司法書士法人あさひのブログ

株式会社設立 5/10

  • 2022.4.11
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取締役は、そうはいきません。会社の舵取りをするのです。もし、自分の経営判断のミスから会社経営が立ちいかなくなった場合、取締役としての責任を株主や会社債権者から問われる可能性があります。また、従業員は、毎月一定額給料をもらいますが、役員は従業員ではないので、給料という形でお金をもらうわけではありません。役員報酬という形でもらいます。その役員報酬は、原則として毎年事業年度の初めにおいて、一年分の役員報酬について株主総会がその総額を決めます。それを12か月で割った額を一か月ずつもらうことになります。」

「会社の経営者とか法人の意味とか株式のこともよくわかりました。ところでよく、会社の本に「株式会社は、有限責任からなる社員でできている」というようなことが書いているのですが、それは僕が取締役になったとして僕が責任を負うという意味ですか?有限責任の有限という意味も良くわからないのですが。

「そうですよね。分かりにくいですよね。株式会社で社員というのは、株主のことです。一般的には、社員というと従業員の意味に捉えますが、法律的に、株式会社の社員といった場合は、株主のことを指します。そして、株主の有限責任というのは、どういうことかというと、例えば、Aさん300万 Bさん200万を出資して資本金500万円で会社を設立したとします。会社を経営していくうえで、原材料を買ったり機械を買ったり、人件費や家賃などこの出資金を使用していくことになりますが、出資金だけでは足りず銀行から1000万の借金をしたとします。ですが思うように経営がうまくいかず結果倒産したとします。会社の債権者である銀行に返済義務があるのは会社です。そして会社の所有者は、株主でした。しかし、株主は、自分が出資した以上のお金を債権者である銀行に支払う必要はない。つまり、Aさんはすでに300万円出資(300万円の限度で責任を負担)しました。会社が倒産して銀行から借金返せと言われることはない。という意味です。これを有限責任といいます。」

「Aさんの300万円はどうなりますか」

「倒産したとしたら、戻ってこないと思います。もちろん、原則的に「株」は譲渡自由なので、買い取ってくれる誰かがいれば、買い取ってもらえる可能性はありますが、倒産しそうな会社の株を欲しい人は稀かと。だから株主は、自分の株の価値を上げてもらえるような経営能力のある経営者を選ぶことが重要になります。」

 

「ありがとうございました。よくわかりました。一度、家に持ち帰り、家族で話し合ってきたいと思います。それで、株式会社の設立についての費用は、どれほどになりますか?

 

つづく