司法書士法人あさひのブログ

天国から愛する子供たちへ ~最期のラブレターを書いてみませんか~

  • 2021.10.27
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こんにちは。司法書士のくぼたです。

タイトル通り、今私は、遺言をお勧めしています。

 

「遺言」というと、

「○○不動産は、~ へ相続させる。」「△△預貯金は、~ へ相続させる。」

というような、イメージがあるかと思います。

もちろんそうなのですが、遺言には、それ以外に想いを伝える「付言事項」を記載する

ことができます。

 

付言事項には、なぜそのような相続分にしたのか、

その理由や子供たちへの感謝の気持ちなど自由に書くことができます。

法的な効果はありませんが、親がどのような気持ちで遺言を遺したのかが

分かれば、相続する側の子供たちの納得も得られやすくなり、

相続手続きがスムーズに進む可能性が高まります。

 

遺言がない状態で相続が発生した場合、一般的に相続人間で

「遺産分割協議」をすることになります。これがきっかけとなり、

仲のよかった子供たちが不仲なってしまう。さらには、裁判にまで

発展しまうこともあります。

 

(裁判所データ)

現在、相続での遺産分割申立て事件数は、20年前に比べると約30%増えております。

また、調停が成立したもののうち約30%以上が遺産総額1000万以下で起こっています。

 

ご自宅の土地・建物と預貯金を合わせれば、1000万の財産をお持ちのご家庭は

多いかと思います。

 

一昔前は、家督相続で家や土地などの財産は長男が相続する。

長男は、家を守り妹弟たちの面倒を見る。というのが当たり前の時代でした。

しかし、今は家督相続の時代ではありません。

 

子供たちはみな平等に相続財産をもらえる権利があります。

例えば、親と同居している子がいて、その子が家や土地を相続するとしたら、

その対価を他の兄弟に支払う必要が出てきます。

親と同居して親の面倒を見てきたのだから当たり前に家や土地をもらえる時代ではありません。

また、家から出ていった他の兄弟も、それなりに苦労していることも多く、

金銭でもらえるものならもらいたいと思っているものです。

 

自分の子供たちが、相続をきっかけに絶縁状態になったとしたら、

それは、とても不幸なことだと思います。

もちろん、相続で、現金や土地、建物を残してもらえたらありがたいものです。

でも、「争族」を未然に防ぐことも残された家族にとって何よりの財産だとは思いませんか?

 

「遺言」を書くことでその確率は大きく高まります。

財産の行き先を記すだけでなく想いを伝える「付言事項」を記載し、

子供たちへの天国からの最期のラブレターを書いてはみませんか。

 

遺言を書くにあたっては、遺言内容の効力の有無をめぐってトラブルにならないよう、

専門家に相談しながら、書くことをお勧めします。

費用としては、当事務所では、遺言の内容や種類にもよりますが、

土地、建物、預貯金合わせて1000万以下の場合で約5万~20万円程です。

 

年金生活しながら、遺言のために支払う額ではないと思われるかもしれません。

しかし裁判になれば、それ以上の額がかかります。

たとえ、最終的な結果が決まっても、心に残ったわだかまりは、ずっと残ります。

残された子供たちが、自分の相続をきっかけに「確執」が生まれるのではなく、

より強い絆で結ばれるような「遺言」を書いてみませんか。

きっと、天国からの素敵なプレゼント、何よりの「財産」になると思います。

 今、自分にしかできないことを始めてみませんか。