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株式の種類のおはなし~ Part 3

前回は、下記②の種類株式の説明をしました。
今回は、③の株主総会の議決権制限規定につき話をしたいと思います。

【種類株式の内容】

①剰余金の配当規定
②残余財産の分配規定
③株主総会の議決権制限規定
④譲渡制限株式に関する規定
⑤取得請求権付株式に関する規定
⑥取得条項付株式に関する規定
⑦全部取得条項付株式に関する規定
⑧拒否権付株式に関する規定 ~黄金株~
⑨役員選任権規定

株式会社は(特例有限会社含む)、株主総会の決議事項(議題)について、その全部または一部に関して議決権を制限することができます。
例えば、取締役の選任議案には議決権を行使できるが、監査役の選任議案には議決権を行使できないなどと定めることができ、また全議案につき議決権がない(完全無議決権という)と定めることもできます。

【定款記載例】
 例1)A種類株主は、株主総会において、全ての事項につき議決権を行使できない。
 例2)A種類株主は、取締役の選任について議決権を行使できない。

活用例としては、

  1. 事業承継などで後継者に議決権のある株式を、それ以外の相続人に議決権制限のある種類株式を与えることにより、会社経営に関する争いを避け円滑な事業承継・相続を実現する。
    また、同様に後継者に議決権のある株式を与え、経営者(高齢の株主)が保有する株式の議決権をなくすことで万が一認知症になった場合の業務の停滞を防ぐ。
  2. 経営に興味のない投資家に議決権制限株式を割り当てその分、配当金を有利にすることで、経営に干渉されず、資本の調達をしやくする。

※完全無議決権種類株式(A種類株式とする)を発行した場合、その株主は、株主総会においては、議決権を行使できません。しかし、A種類の株主総会での議決権は、行使できます。A種類株主総会の議決権を剝奪することも可能です。

(別途定めが必要)

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