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株式の種類のおはなし~ Part 4

前回は、下記③の種類株式の説明をしました。
今回は、④の株式の譲渡制限に関する規定につき話をしたいと思います。

【種類株式の内容】

①剰余金の配当規定
②残余財産の分配規定
③株主総会の議決権制限規定
④譲渡制限株式に関する規定
⑤取得請求権付株式に関する規定
⑥取得条項付株式に関する規定
⑦全部取得条項付株式に関する規定
⑧拒否権付株式に関する規定 ~黄金株~
⑨役員選任権規定

株式会社が(特例有限会社含む)、その発行する全部又は一部の株式の内容として、譲渡(相続その他合併等は含まれません)による当該株式の取得について、当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている株式を、譲渡制限株式といいます。

そして、全部の株式に譲渡制限が設けられている会社を非公開会社といい、1株でも譲渡制限が設けられていない、すなわち譲渡自由な株式が存在する(現実に発行していることまでは不要。)会社を公開会社といいます。

※公開会社・非公開会社は、上場しているかどうかではなく、全ての株式に譲渡制限がついてるかどうかによる区別です。これらの区別は、会社の機関設計や役員任期に影響がでます。

【定款記載例】
 例1)当会社の株式を譲渡により取得するには、当会社(※1)の承認を要する。
 例2)当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会(or株主総会)の承認を要する。
 例3)当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会(取締役会or当会社)の承認を要する。
ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合は、株主総会(取締役会or当会社)の承認があったものとみなす。(※2)

(※1)当会社とは、定款に別段の規定がない限り、下記が承認機関です。

  • 取締役会のある株式会社 → 取締役会
  • 取締役会のない株式会社 → 株主総会

(※2)この定め方は、株主間での譲渡であれば、会社(株主総会)の承認は不要です。

 
【活用例】
 
株式に譲渡制限規定を設けることにより、会社にとって好ましくない者が株式を譲り受け、経営に参画することを未然に防ぐことができます。

新たに譲渡制限を設ける定款変更をする場合には、特殊決議が必要です。
特殊決議:株主の半数以上の賛成(定款で上回る定めをしたときはその割合)
かつ
当該株主の議決権の3分の2以上の賛成(定款で上回る定めをしたときはその割合)

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